肥料について

植物が育っていくには、いくつかの成分が必要です。
どの成分が植物にとって、いつどれくらい必要かを考えましょう。

肥料成分とその役割
肥 料 名 植 物 に 対 す る 役 割
窒素(N) 成長促進や茎や葉を肥大させる
燐酸(P) 開花、結実を促進し葉の色等をよくする
カリ(K) 根の成長促進や球根を大きくする
カルシウム(Ca) 土の酸度を調整する
マグネシウム(Mg) 酵素の活性の手助けをします
微量要素 植物を健康に大きくするのに少し必要

肥料は主に、化学肥料と有機肥料とに分けられ、また形状では、液体肥料と固形肥料とに分けられます。
何を買ってきたら良いのか見当がつかないことがあります。 
形態と主な肥料の役割を紹介します。

@ 肥料の形態
 水溶性(水に溶かして使う、そのまま使うのもある)
 粉 状 (粉のまま使うか、水に溶かして使用)
 粒 状 (粒のまま土に混ぜたり、追肥として上において使用)

A 有機質と化学質 
 有機質肥料
「土は生きている」と言われるように、豊かな微生物群をつくるためにも、有機をたくさん使ってみたいです。

植物を原料としているもの
 油粕・大豆粕・米ぬか・草木汁など
動物を原料としているもの
 動物糞尿・骨紛・魚粕・ミミズ堆肥など

科学質肥料 
 科学的に、成分を合成させたりしたもので、単一肥料や近年水耕栽培が盛んになって、植物成分分析が知られるようになり、総合化肥料が盛んに成りました。

B肥料の与える量  
 粉状・粒状共に、用土1リットルに対し10g〜15gの混合します。

ポイント

・植物の種類や栽培の目的に応じて、使い分ける事が必要で、
植物によっては、特にある成分をたくさん必要とするものもあるので勉強しましょう。
・与える量は、まず薄く与え、植物の健康をチェックしてから、少しづつ増やしていきましょう。
肥料の量は



・肥料成分10:5:8と書いてある場合の内容は
N(チッソ):P(リンサン):K(カリ)の順番で並んでいます。
植物の育てかたで肥料成分を選んで下さい。

例えば、葉や枝をどんどん大きくしたいときは、10:5:8のように、N(チッソ)肥料が、
沢山含まれている配合を選らんで、大きく育て、そろそろ花芽の分化をさせたい時期になったら、
5:10:8のように、P
(リンサン)を多く含んだ肥料を与えます。
植物の成長に合わせて肥料を選び、育てていくのも楽しみのひとつです。

・ また粒状肥料を、用土の中に始めから適量混入させておいて、植物の成長に合わせて、
追加の肥料を与え育てていく方法もあります。

・ 植物によって肥料を、沢山必要としたり、反対に余り量を必要としない植物もありますので、
植物の特徴にも合わせて肥料を選びましょう。

始めから混入する基本的な配合例
用土の中に混入する場合、肥料成分が、5:5:5のようなN(チッソ)5のような肥料の場合は、1.0%〜1.5%位混合して下さい。
水溶性肥料の与えかた

購入してくるとよく1.000培液を、週に1回か、2週に1回与えて下さいと書いてあります。
植物の違いや、与える時期によっても与える間隔や濃度が違います。
私も、20年ほど前までは、500倍液を毎回与えたり、300倍液を毎日のように与えていた時もありますが、
今は
薄く間隔は毎回のように与えています。

例えば、私たちが食べている3度の食事ことイメージしてみてください。
栄養たっぷりの焼き肉や、冬には鍋物を食べたり、時には、お漬物と味噌汁だけや、
夏になると冷やしそうめんや酢の物の時もあるように、
肥料も、有機・化学・植物活性剤・等栄養のバランスを考え、量もたっぷり与えたり、
小量にしたりして、食少を起こさないように質・量のバランスを考えて与えるようにしています。
すごいですよね・・。

ワンポイント

梅雨時期や秋雨時期と植物が休眠中は、量を少なめにして、
質のいいものをポイントで与えるようにし、植物活性剤等で栄養補給しましょう。
有機質材料を使ってぼかし肥料を作りましょう

最近、野菜を購入するときに、有機栽培野菜とか、無農薬野菜など健康な野菜を購入したい、作りたい、とよく耳にすることがあります。

作るためにはいろんな条件が必要ですが、その一つに、健康な肥料を与えることもひとつの要因です。
また、有機質肥料を与えて、変なカビが生えたり、醗酵するのでその時の匂いが嫌いで敬遠されがちですが、
有機肥料は使いたい、そんな人にお勧めがぼかし肥料です。
ショップで販売しています。)
製作途中での匂いや、ぼかし肥料の特徴でカビ(糸状菌)が生えますが、
そのことは植物のためですから、ご理解ください。 
人によっては、思っていたより臭くないし、糸状菌(醗酵菌)と聞いて
少し安心しましたとの声も中にありましたので、紹介します。


ぼかし肥料の作り方
有機材料名品目 混入量(g) 備考
米ぬか 2Kg 三つをよく混ぜます。
混ぜたものをZとします
(冬期だけ使用)
醗酵菌 少々(200g位)
でん粉(片栗粉) 100g

葉菜全般・初期の栄養成長期に使用 中期・後期の生殖成長に使用
記号 有機物品目名 混入量
(kg)
有機物品目名 混入量
(kg)
 
米ぬか・菌混合したもの 米ぬか・菌混合したもの
油粕粉 10 油粕粉
魚粕粉 魚粕粉
骨粉(もしくは骨燐) 骨粉(もしくは骨燐)
大豆粕 大豆粕
珪酸白土(土壌改良剤) 18 珪酸白土(土壌改良剤) 18
10L 10L
合計 36 36

以上の有機物を、まず水を加えないでよく混合します。
次に、セメントを混ぜる要領で、真ん中に水が入る程度穴をあけ、水を入れた後またよく混合します。

1回目の切り返しは、菌の種類と季節によってずいぶん違いがありますが、
数日たって(醗酵温度が60度C以上にならいように)切返しをします。
醗酵菌が、好気性菌の場合は数回繰り返切返しを(中に酸素を混入しながら)すると出来上がりです。
嫌気性菌の場合は、一回の切り返しで出来上がり、後は乾燥させれば長期の保存ができます。
植物活性剤のメカニズム

ひとくちに言っても、アンプル状になった物から醗酵させて各種アミノ酸まで分解せたものまで色々ありますが、できるだく酵素や、有効微生物が多く含まれている物を選んで下さい。

植物がなんだか少し変で、枯れそうになった物から、挿木・播種・植え痛み等ストレスが溜まりそうな時に使って、植物が弱らないように葉面空の吸収をさせて下さい。

植物活性剤の効果
・ 発芽・発根・実なりが旺盛になる。
・ 成育がよくなり健康性が高くなる。
・ 長雨、冷害に強くなる。
・ 味、香り、色調がよくなる。

使い方
・2.000倍液5.000倍液にうすめて葉面より、吸収しやすいように与える。
・4.000倍液〜10.000倍液にうすめて、3〜5回に1度の間隔で水代わりに与える。

施肥方法のタイミング、種類

施肥のタイミングですが、植物には活発な活動の時期(生育期)と、休止する時期(休眠期)があります。
季節や植物によって異なるのですが、休眠期でも寒肥として肥料を与える場合がありますが、
原則として肥料は生育期に与える事が効果的です。
■元肥■
植物を植える前に、あらかじめ土に施す肥料です。緩効性肥料を使うと便利で効果的です。
■追肥■
植物を植えた後、成長に応じて施す肥料です。
速効性肥料と緩和性肥料を組み合わせて与えると効果的です。
■お礼肥■
花木や果樹の開花後や収穫後に、弱った植物の回復を図るために施すもので、速効性のある肥料を使います。
■寒肥■
春の活動期にむけて花木や庭木の成長が休止している冬期に施す肥料です。
■置肥■
鉢土の表面に置く肥料で緩効性肥料が便利です。

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